「岩国市錦町の中山間地域におけるドローンによる中山間地域宅配効率化」に向けた実証実験を実施
当社がドローンでの運航を担う形で参画した「物流生産性向上推進事業を活用したドローン物流実証」における実証実験を実施いたしました。
■案件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施場所 | 山口県岩国市錦町 |
| 実施期間 | 2026年1月~2月(*1) |
| 主催団体 | 錦町ドローン宅配協議会 |
| 使用機体 |
DJI Flycart 30 ・デュアルバッテリー ・カーゴモード |
| 飛行方法 |
・タッチダウンによる荷下ろし ・無人地帯での目視外飛行 ・DJI DeliveryHubを活用したLTE自動飛行(*2) |
| 運搬物 | 飲料水、生鮮食品など |
| 離陸地点 / 荷下ろし地点 |
離陸地点: 道の駅 ピュアラインにしき 荷下ろし地点①: 錦町駅 荷下ろし地点②: 府谷集会所 |
| 飛行回数 |
ルート1: 30回(15往復) ルート2: 20回(10往復) |
| 水平飛行距離 / 高低差(*3) |
ルート1: 約3,000m / 約300m ルート2: 約1,800m / 約260m |
| 飛行時間(*4) |
ルート1: 平均6分 ルート2: 平均5分 |
(*1)期間中の運航稼働日数は8日になります。
(*2)専用アプリケーションで飛行ルートを作成し、離陸から着陸まで自動飛行にて実施しております。
(*3)ルート間の最低高度と最高高度の差になります。
(*4)飛行時間は、荷物積載状態で片道のドローン離陸から着陸までにかかった時間になります。
■課題 / 実施背景
山口県は、その地理的特性から中山間地域や島嶼地域を多く抱え、高齢化・過疎化に伴う物流コストの増加や、災害時における物流網維持の困難さといった課題に直面しています。こうした地域では、デジタル技術の活用による配送効率化を通じて、住民の移動コストと物流コストの双方を抑える抜本的な仕組みの構築が求められています。
当社は、”生活協同組合コープやまぐち”、”株式会社みずほ銀行”、”岩国市”、”社会福祉法人岩国市社会福祉協議会”、”錦町農産加工株式会社”とともに「錦町ドローン宅配協議会」を設立しました。従来のドローン配送では積載量約5kgが技術的な課題とされてきましたが、当社の配送技術は積載15〜20kg・航続距離5kmを実現しており、この技術力が評価され、実証への参画に至りました。
農林水産省「令和6年度 物流生産性向上推進事業」の採択を受け、2026年1月より岩国市錦町の中山間地域でドローン宅配の実証を開始しています。
初回となる今回の実証実験では、当該地域においてドローン配送を継続的に実施するにあたり、障壁となり得る点(技術的な課題、住民の受容性、オペレーションの構築)についての検証することによって、次年度以降の方向性を検討していくことを目的としています。
■飛行ルート図


■運航体制
離陸地点と荷下ろし地点にそれぞれ操縦者と操縦補助者を1名ずつ配置し、往路/復路ともに、離陸から着陸までDJI Delivery Hubを活用したLTE自動飛行を行いました。
各地点から目視内となる区間は、それぞれの操縦者および操縦補助者が周囲と飛行経路下、および機体の監視を実施しました。
Delivery Hubの操作は、操縦者と操縦補助者とは別に担当者を1名設け、愛知県内にある弊社技術拠点から行い、両地点の操縦者から目視外となる区間については、Delivery Hub担当者が機体状態と飛行経路下の監視を行いました。
往路の機体着陸後は積み荷の取り出しを行い、復路は空荷状態で飛行しています。
レベル3.5飛行(無人地帯での目視外飛行)になったため、下記のように必須条件を満たした上で運航しております。
①飛行中は機体に搭載されたカメラにて歩行者などの有無を確認しながら飛行させています。
②操縦者はすべて一等無人航空機操縦士、または二等無人航空機操縦士の技能証明を保有しています。
③第三者賠償責任保険に加入しています。
■実証試験環境
離陸地点、および両ルートの荷下ろし地点ともに平坦かつ開けた地形となっていたため、着陸位置ズレによるトラブル発生への懸念が小さい状態(誤差±1m未満)での飛行となりました。
従来のトラック配送の代替手段および配送効率化を検討するにあたり、風の影響が懸念される山を越える飛行となりましたが、常に風速5m/sを超えることはありませんでした。
■試験結果
1回の配送につき最大で15kgの商品配送を実施し、合計50回のフライトを無事故で達成しました。
これにより、下記の試験結果を確認しております。
① 配送中の温度変化、および飛行後の積み荷状態
データロガーを使用して、ドローン飛行中のカーゴボックス内の温度を計測したところ、離陸から着陸までの温度変化は0.5℃未満に収まっていることが確認できました。
また、梱包材として活用した”生活協同組合コープやまぐち”が通常使用している冷蔵・冷凍ボックス、ならびに中身の生鮮食品(卵などの割れやすいものを含む)には破損が見受けられず、安定した配送が可能であることが確認できました。
② 配送効率性
トラックなどで片道10分程度かかる配送時間を5~6分に短縮できることが確認できました。
③ ユーザーの受容性
現場付近で実証実験を見学されていた住民の方からは、ドローン飛行に際しての静音性や機体の安定性、配送時間の短さといったポジティブな反応が多くみられました。
実際にどのようなコメントなどをいただいたかなどは、下記動画にて確認していただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=P1M3-YqHVVk (yab山口ニュース 様)
■今後の展望
今回の実証実験を通して、ドローン配送時の積み荷の安定性が認められ、配送時間の短縮が期待できることが分かりました。
また、災害時にトラックでの物資運搬が困難なケースにおいて、今回使用した飛行ルートが有効であることが確認できました。
今後、ドローン配送の導入や運用にかかるコストドローン配送によってもたらされる配送効率化、ならびに地域住民の方からのニーズなどをさらに検討していき、プラットフォーム構築のためのアプリ開発や導入の検討など、運用可能なユースケースや体制の構築に伴走していきます。
■ドローンでの重量物運搬を検討されている方へ
当社は、前身であるSkyDrive時代に物流ドローンであるSkyLiftを開発し、当該機体のものに加え、DJI製の機体での豊富な運用経験を有しています。
その中には官公庁や自治体が絡む実証実験のものも含まれています。
また、机上検討から現場下見の実施、飛行許可申請や飛行計画立案まで一気通貫で対応可能です。
特に飛行許可申請については、代行業者を活用せず、申請を通すツボを押さえた独自ノウハウで行うため、許可取得までのリードタイムの短さには定評があります。
従来の人肩やヘリコプターでの重量物運搬が厳しい環境または条件が存在する案件を抱えている方がいらっしゃいましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。
本件に関するお問い合わせ
株式会社AlterSky 営業・マーケティング(広報)部
Email: drone@altersky.co.jp