日本初、大林組と橋梁建設現場において物流ドローンによる資材運搬の試験運用を開始
※本実績は株式会社SkyDriveとして実施したものです。
～人口集中地区(DID)での自動自律飛行に成功～
株式会社大林組（本社：東京都港区、社長：蓮輪賢治、以下「大林組」）と共同で、国内で初めて人口集中地区（DID）となる橋梁建設現場において物流ドローンによる自動自律飛行による資材運搬の試験運用を開始いたしました。
■資材運搬試験運用の実施の背景
建設現場では、建設作業員の高齢化および減少を見据えた対応が課題となっています。大林組は、作業員が単純作業から解放され、技能や習熟を必要とする作業に集中できるように、AGV（※1）などを活用した資材搬送の自動化を進めています。特に山間部や急傾斜地に立地する現場や、狭隘なヤードしか確保できない現場、また、工程上クレーンを設置することが困難な現場を対象として、物流ドローンの活用を検討しています。
SkyDriveと大林組は、2019年より共同で建設現場における重量物の運搬が可能な物流ドローンの活用の検討を行い、高速道路現場などで試験を繰り返してまいりました。今回使用した物流ドローンは、SkyDriveが、航空機開発のプロセスで培った技術を活用して開発した「SkyLift」です。自動自律飛行（※2）により、現場内の朝礼広場から、桁上空30ｍに最大20kgの資材を運び、無着陸でホイスト機構（※3）により荷下ろしを行うことができます。
人口集中地区（DID）では飛行にあたって特別な申請が必要であり、高い安全性が求められます。加えて、今回、試験運用を実施した橋梁建設現場は、建設中の構造物と近接することから、構造物に由来する突風や地磁気の乱れなどがあり重量物運搬用ドローン適用の難易度が高くかつ、鉄道営業線近接工事であるため、安全性のレベルを大幅に引き上げることが必要となります。
両社は、これまでの試験で得られた知見をもとに、国内で初めて橋梁建設現場にて重量物運搬用ドローンの自動自律飛行による資材運搬に成功しました。
■試験運用概要
工事名称 ：東海道本線戸塚・大船間横浜環状南線交差部上部工新設工事（神奈川県横浜市栄区）
工事内容 ：橋梁上部工（鋼３径間連続鋼床版箱桁橋）架設
事業主 ：国土交通省 関東地方整備局 横浜国道事務
発注者 ：東日本旅客鉄道株式会社
東京建設プロジェクトマネジメントオフィス
施工者 ：横浜環状南線交差部上部工新設共同企業体（大林・奥村・戸田JV）
場所 ：神奈川県横浜市栄区
運用内容 ：SkyLiftによる、朝礼広場から建設中の桁上（飛行距離 約100m、鉛直距離約20m）までの資材（H型鋼、単管クランプ、ボルトナット）運搬
荷下し方法：無着陸でのホイスト機構による荷下し。
■試験運用に使用した物流ドローン「SkyLift」の基本仕様
全長 ：全長2.5ｍ×全幅1.9ｍ×全高1.0ｍ（プロペラ展開時）
全長1.9ｍ×全幅1.2ｍ×全高1.0ｍ（プロペラ折畳時）
機体重量 ：35kg （バッテリー20kgを除く）
最大ペイロード：30kg
20kg（ホイスト機構利用時）
飛行速度 ：36km/h
飛行可能距離 ：2km（最大積載時）
飛行時間 ：9～15分（積載重量による）
運搬方法 ：機体固定式ボックス・着陸せず荷物を昇降するホイスト機構
今回の試験運用では、SkyLiftの自動自律飛行により定期的に建設中の構造物上への資材運搬できることを確認いたしました。今後、両社は実際の建設現場において試験運用を重ね、建設現場に適した機体の開発及び効果的な活用方法を検討していきます。
※1 AGV（Automated guided vehicle）とは：人間の運転操作がなくても自動で走行できる運搬車。
※2 自動自律飛行とは：GPSなどのセンサーを用いて、事前にプログラムした経路を飛行。ただし、緊急事態に備えてパイロットを配備。
※3 ホイスト機構とは：資材をドローンから吊り降ろす装置で、吊荷が接地することによりフックが自動で外れる機構を備えている。
株式会社大林組：https://www.obayashi.co.jp/
本件に関するお問い合わせ
株式会社AlterSky 営業・マーケティング（広報）部
Email: drone@altersky.co.jp
【SkyDrive】日本初、SkyDrive社と大林組が橋梁建設現場において物流ドローンによる資材運搬の試験運用を開始_20230215_r1.pdf