「屋久島国立公園し尿処理適正化に向けたドローン活用検討業務」における実証試験を実施
当社がドローン運搬の専門業者として参画した「屋久島国立公園し尿処理適正化に向けたドローン活用検討業務」にて、今後の実施方法を検討する上での実証試験を実施いたしました。
■案件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施場所 | 鹿児島県熊毛郡屋久島町(屋久島国立公園内) |
| 実施期間 | 2026年3月6日(金) |
| 発注者区分 | 官公庁 |
| 使用機体 | DJI FlyCart 30 |
| 飛行方法 |
・スリングでの吊り下げ飛行 ・無人地帯での目視外飛行 ・DJI DeliveryHubを活用したLTE自動飛行(*1) |
| 運搬物 | し尿ポリタンク |
| 飛行回数 | 9往復 |
| 運搬重量 | 約200kg |
| 水平飛行距離 / 高低差 | 約2,500m / 約520m |
| 最大飛行高度(対地) | 540m |
| 飛行時間(*2) | 1往復あたり平均11分 |
(*1)操縦者目視内においては手動飛行、目視外においてはLTE通信を用いた自動飛行
(*2)ドローン離陸から着陸までにかかった時間
■ 課題 / 実施背景
屋久島国立公園内の山岳部には汲み取り式トイレ、バイオトイレ、土壌処理式トイレ、携帯トイレなど様々な手法によりし尿処理が行われており、これら山岳トイレの維持管理には、行政予算や登山利用者の協力金(山岳部保全利用協力金)などが活用されておりますが、高コストなし尿搬出費用や不安定な搬出体制、土壌処理式トイレの不調、携帯トイレの利用率の伸び悩みなど、様々な課題を有しています。
環境省をはじめとした関係者間で、屋久島山岳部におけるし尿処理適正化に向けた検討を行っている中でし尿運搬方法の一つとしてドローンの活用が候補として挙がり、その可能性について検討が進んでおります。
当社は、ドローン運搬の専門事業者として本業務に参画し、実施方法について検討を重ね、今回の実証実験に臨みました。
■飛行ルート図

■実証試験の運航体制
離着陸地点と回収地点にそれぞれ操縦者と操縦補助者を1名ずつ配置し、地点間には機体監視員を1名配置しました。
各地点の操縦者から機体が目視できる範囲では手動操縦にて機体操作を行い、操縦者から目視できない区間ではDJI Delivery Hubを活用したLTE自動飛行を行いました。
今回の実証実験では、操縦者から機体が目視できない区間について、機体監視員が飛行中を通じて常時機体を直接目視し、安全監視を行う運航体制を構築することで、飛行レベル2で実施しています。
■実証試験の環境
標高差が大きい環境下であったため、風速は平均6m/s、瞬間的に最大12m/sに達する山風が吹いていました。
加えて、回収地点は短辺が4m未満という極めて狭小なスペースでの実施となりました。
■試験結果
約3時間の中で9フライトを実施し、合計約200kgのし尿ポリタンクの運搬を無事故で実施しました。
また、既存手段と比較して、下記の優位性が確認できました。
①運搬効率(時間コスト)の向上
登山口から山小屋までの移動は往復に6時間を要し、人肩で運搬する場合1人で運べる重量は1回あたり20~40kgほどになります。
今回の実証実験では、人肩運搬と比較して回収地点への移動時間を含め、最低でも約1.1倍以上の運搬効率が実現できることを確認しました。
また、作業の熟達によりドローン運搬に係る準備の効率化が進めば時間の短縮が可能となり、さらなる運搬効率の向上が期待できます。
②経済性(金額コスト)の改善
想定される運用コストを算出した結果、20Lポリタンク1個あたりの運搬費用において、ドローン運搬は既存のヘリコプター運搬に加え、今後の運用によっては人肩運搬を下回る安価な手法となる可能性があることを確認しました。
③身体的負荷の軽減
20kgの重量物を担いで険しい山道を下山するという作業員の肉体的負荷を大幅に軽減するほか、安全性の向上が期待できます。
■ 今後の展望
本業務は、し尿処理における環境への課題と山岳エリアにおける運搬の課題が内在しており、自然・山岳観光が盛んな国内においては、こうしたインフラの維持が喫緊の課題と認識しております。ドローンサービスを展開する当社としては、ドローンを活用した社会課題の解決を目指しており、山岳エリアの課題解決においても引き続き積極的に取り組んでまいります。
本件に関するお問い合わせ
株式会社AlterSky 営業・マーケティング(広報)部
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